複数の生命保険契約を検討する際に押さえておきたい基本とポイント

2つ以上の保険加入を考える
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監修者
ファイナンシャルプランナー 木村秀幸

生命保険を複数契約することは、家族や自分の将来を考える際に、より手厚い保障を得るための選択肢として興味を持つ方も多いでしょう。しかし、複数の保険に加入することには注意点も存在します。例えば、保険会社ごとの異なる契約条件や、保障内容が重複するリスクなどです。
これらの点をしっかり理解し、自分に最適な保険を選ぶためには、事前に必要な情報を確認することが大切です。
次に、複数保険契約のメリットと、見落としがちな注意点について詳しく見ていきましょう。

2つ以上の保険加入も可能?

生命保険を2つ以上加入することに意味はあるのでしょうか。複数の保険契約はメリットだけでなく、デメリットもあります。
特に保険会社を分けて契約する際に注意するべきことを紹介します。

生命保険は複数の保険会社で契約しても保険事故が発生した場合は、保険金全額を受け取ることができます。生命保険は損害保険とは違い、上限金額がありません。

しかし、保険会社同士のネットワークがあり、複数の保険会社で契約すれば無限に死亡保険金額を大きくできるわけではありません。
普通の人に何億という保険をかけてしまうと保険金目当ての事件が起こる可能性が高まるからです。

複数保険を契約する状況

複数の保険を契約することで、一つの保険では補いきれない保障をカバーすることができます。
ライフプランとともに必要な保障が変わっていきます。複数の保険に入る場合は基本の保険に加え、一定の期間だけ必要な保障を積み増す。
具体的にはお子様が小さい時にだけ教育資金に備え、契約を厚くするケース等が想定されます。

複数保険加入の一例

また、養老保険のように貯蓄性が高い保険であれば、満期時期をずらすことで、順次お金を受け取ることができるでしょう。

複数保険会社で加入するメリット

リスク分散・良いとこどり・保険の知識がつく

複数の保険に加入する際、それぞれ別の保険会社で契約することもあるでしょう。
生命保険を複数の保険会社で入ることのメリットはあるのでしょうか。

破綻リスクの分散

生命保険は長期に渡って契約することになります。
保険会社の財務状況が今は良好でも20年、30年後にどのような状況になっているかは誰もわかりません。
複数の保険会社に分散しておくことで、保険会社が破綻した場合のリスクを分散することができます。

特徴の異なる保険を契約できる

各保険会社が様々な特徴を持った保険商品を開発しています。複数の保険会社で契約することで、様々な保険会社の強みを持つ商品の「良いとこどり」をすることができます。
また、様々な保険会社と契約することで互いの保険が持つ弱点を補うことも可能となります。

複数の営業員から話を聞ける

同じ保険会社でも営業員の考え方や知識レベルは様々ですが、やはり同じ会社にいると得意分野や考え方も似たようなものになっていきます。
様々な保険会社の営業員に保険の相談をすることで、「なるほど、そういう使い方もあったんだ」と勉強になることも多々あります。
一人の保険のプロよりも二人の保険のプロに相談できる状態にしておいた方が最新情報も入りやすいので、営業員と複数接点が持てることも大きなメリットとなります。

複数契約の3大注意点

複数の保険会社で契約することはメリットも多いものです。
しかし、注意したほうがいい点もありますので、ご一読ください。

複数保険契約3つの注意点

手続きが複雑になる

複数の保険会社に契約すると、保険会社毎に必要書類や請求書の書き方が異なるため、支払い手続きや満期手続きが複雑になります。
特に家族にお金を遺すための終身保険の場合は複数の保険を契約したことをきちっと伝えておかないと、保険契約があること自体を忘れられる可能性もあります。

また、相続発生後は様々な手続きを期限内に迅速に行う必要があります。
家族を失った悲しみに暮れる間もなく、忙しい日が続き、体調を壊す方も多いようです。
そのなかで、複数の保険会社の保険手続きをするのは相当な負担があります。
遺される家族のことを考えると一つの保険会社にまとめておくことも検討した方が良いでしょう。

請求費用がかさむ

生命保険の請求書には様々な書類を添付する必要があります。
請求書は医療保険の場合は医師の診断書、終身保険の場合は印鑑証明や戸籍謄本等が必要となります。
各種書類を集めるのは費用がかかってしまいますので、複数の保険会社で契約をするとそれぞれ書類を集めることとなり、手間も費用もかかってしまいます。

保障内容の重複

保険会社の営業員は現在加入している保険がどのような商品かを理解して、次に入るべき保険を紹介してくれます。
しかし、複数の保険会社の契約をしていると、現在加入している保険と同じような保険を勧められる可能性もあります。

その際に、自分が契約内容をよく理解しておかないと保障内容が重複した不必要な保険を契約することになりかねません。
保障内容はきっちりと自分が把握して、保険相談員にも伝えるようにしましょう。

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