保険加入・見直しはライフイベントごとにチェック!結婚・定年退職など

ライフイベント別 保険の選び方
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監修者
ファイナンシャルプランナー 木村秀幸

保険相談は大きなライフイベントを迎える方や、将来の方向性が定まってきた方が利用するケースが多いです。
生命保険は就職や結婚、出産、マイホーム購入、子供の進学など、ライフステージの変化ごとに見直しをするのが理想です。
独身の方も老後資金へ向けた資産形成や病気・怪我に備えたリスクヘッジで、保険への加入を検討しましょう。
ライフイベント別の保険選びについて紹介いたします。

就職による保険選び・見直し

保険選び・見直し 就職編

就職するということは親の扶養から外れて自分で生計を立てることになりますので、これを機に保険加入を検討する方も多いのではないでしょうか。
就職する際に保険加入するポイントや注意点をご紹介します。

病気や怪我に備える

医療保険とは、文字通り病気や怪我で入院・通院をする場合に保険金がもらえる保険のことで、入院や手術で多額の医療費がかかるリスクをカバーします。
若いうちは入院・手術を伴う病気になるリスクが低いですが、近い将来に難病を患うリスクはゼロではありません。
就職したタイミングなど若いうちに医療保険へ加入すれば、保険料を安く抑えられるメリットがあります。

働けなくなることに備える

病気や怪我で働けなくなった際に備えるのが就業不能保険です。
万が一の時に毎月お給料のような形で保険金が支払われる仕組みなので、長期で働くことが出来なくなった場合の生活の支えになります。
就職して1人暮らしや所帯を持つなど自立した生活をする方は、就業不能保険に加入する必要性が高いです。

将来のためにお金を貯める

保険の中には貯蓄型運用型と呼ばれる保険があり、将来的な資産形成を目的に保険加入する方がたくさんいます。
子供が生まれて教育費などが発生するとなかなかお金を貯めることができませんので、就職した直後からお金を貯めておくのはとても大切なことです。
なるべく早いタイミングで保険加入することで、手厚い保障や満期時の高額返戻金を確保しながら、月々の保険料を安く抑えることができます。

注意するべきポイントは?

一部で就職してまもない新入社員に対して高額な保険加入を勧めてくる営業員がいるので注意してください。
特に貯蓄性がある保険は余力資金の範囲内で加入するべきものです。
食費や光熱費など月々の生活費や2年目で増加する税金・社会保険料などの出費、娯楽費用などの支出を考慮して、身の丈にあった保険料に抑えることが大切です。

結婚による保険選び・見直し

保険選び・見直し 結婚編

結婚は人生の中でも大きな転機となります。
独身時代とは異なり、夫婦で支え合って生活するため、当然保険も見直す必要があります。
結婚をきっかけに保険について考える際のポイントをご説明します。

まずは現状把握

保険は世帯単位で考えるものなので、結婚したら夫・妻それぞれの保険加入状況を共有しましょう。
特約など重複した保障を外し、どちらか一方が病気などになった際に備えた保障内容や世帯収入・世帯支出を考慮した保障内容へ見直す必要があります。

生活の変化による契約の見直し

結婚をきっかけに実家を出て賃貸住宅を借りる。
妻が寿退職をして専業主婦になる。
授かり婚で既に出産の予定もある。

などなど、結婚をきっかけに生活環境が大きく変わるケースがあります。
将来を見据えることも大切ですが、まずは直近の変化に応じた契約の見直しから始めましょう。

今後のライフプランを検討

結婚後の保険加入で気をつけるべき点として「二人のライフプランの認識が異なったまま保険に加入すること」が挙げられます。
結婚したとは言え元々は別の家庭で育った者同士ですので、認識のズレが生じてしまう可能性は十分に考えられます。

具体的には、

  • 結婚後もずっと夫婦共働きを続けるのか?

  • 子供が欲しいのか?理想は何人なのか?

  • マイホームの購入時期はいつ頃にするか?

食費や娯楽費、衣服代、家族旅行など生活支出に対する考え方。

こうした結婚後のライフプランを、二人ですり合わせておくことが大切です。
結婚した途端に現実的な話をしにくいと思っている方は、保険相談をライフプランやお金の話をするキッカケにしましょう。

妊娠や出産による保険選び・見直し

保険選び・見直し 妊娠・出産編

妊娠出産は「家族が増える」という一大イベントです。
当然ライフスタイルは大きく変化するため、家族が増えた分を考慮して保険の契約も見直す必要があります。

子供が生まれた際に必要な保障

妊娠・出産を機に考える必要な保障は以下の3種類があります。

  • 親の死亡などに備える

  • 将来の教育資金の確保

  • 子供の医療費

子供が生まれて親になるのは、子を養う義務が発生することを意味します。
一家の大黒柱の親が死亡や長期間働けなくなる病気・怪我になるリスクを考え、生命保険と医療保険を手厚くすることをオススメします。

子供の教育資金は幼い頃よりも高校・大学の方が高額になりやすいです。
子の成長に伴って支出が増えることが明白なので、学資保険に加入するなど計画的に教育資金を確保してください。

子供の医療費に関しては、余裕があれば加入を検討する程度の優先順位で構いません。
保険料が安いので子供に保険を掛けるのも悪い選択ではないですが、まずは親に対する保障を優先的に考えるべきです。
特に子供が死亡した場合の保障は、悲しい出来事ではあるものの支出が増えるわけではありません。

子供に関する保険一覧

分類 目的 必要性
学資保険 将来必要な教育資金を貯める
医療保険 子供が病気になった場合に備える
死亡保険 子供の死亡に備える ×

いつから保険の加入を検討するべき?

妊娠をしたら死亡保険や学資保険を検討し始めて、保険相談まで済ませておくのが理想です。
保険加入するのは出産してから早い方が良く、出産直後の新生児がいる時期は落ち着いて保険相談する時間を確保しにくくなります。
学資保険に関しては子供の年齢が1歳を超えると加入できない商品もあるので、加入するかは別にして検討だけでも早めに始めるようにしてください。

マイホーム購入による保険選び・見直し

保険選び・見直し 住宅購入編

マイホームは人生の中で一番大きな買い物と言われています。
マイホームを購入すると保険契約はどのように見直す必要があるのでしょうか。住宅購入と保険の関係をご紹介します。

支出の変化

昨今は35年の長期間で住宅ローンを組む方が多く、賃貸から持ち家に変化することで住居費用が安くなるケースもあります。
また、不動産は将来的に土地として価値が残りやすいなど、資産形成の観点でも買うメリットがあります。

ただし、フルローンで買った場合でも最低100万円と言われている頭金や諸費用、家具家電購入、引っ越し代、火災保険の長期契約でまとまった支出が発生することが多いです。
火災保険・地震保険は、賃貸より持ち家の方が保険料が高いです。
マイホーム購入時に貯金を大きく切り崩すのであれば、万が一の事態に備えた保険も見直す必要があります。
持ち家は固定資産税や外壁・水回りなど将来のリフォーム費用があるので、中長期的な出費にも備えてライフプランを立てましょう。

住宅ローンの生命保険

住宅ローンを利用してマイホーム購入する場合は、ローン契約の中に団体信用生命保険(所謂「団信」)が含まれているケースが多いです。
変動金利の大半は団信ありで、固定金利もフラット35を中心に多くの金融機関が団信への加入を必須条件にしています。
住宅ローン残債がある中で死亡した場合は、団信による保障で残債がチャラになるケースが多いので、住宅ローンの生命保険も考慮して通常の生命保険を見直すようにしてください。
昨今は死亡保障以外のオプションを付けられる団信も増えていますが、病気や怪我など団信では保障されない部分は通常の医療保険・傷害保険でしっかりカバーしておくことが大切です。

団信の仕組み

保険選び・見直し 独身者編

独身者の保険選び・見直し

保険選び・見直し 独身者編

遺される家族のために生命保険に加入をしておきたいと考える方が多いと思います。
では独身の方は保険を契約する必要は無いのでしょうか。

独身者に死亡保険は必要?

結論から申し上げると、独身者の場合は死亡保険で大きな金額を受け取るような契約をする必要はありません。
親や兄弟など家族の状況と関係性によって変わる要素もありますが、基本的には葬儀費用などを賄える数百万円程度の保険加入で周りに迷惑をかけるリスクを軽減できます。
貯金がある場合は死亡保険へ加入しないのも悪い選択ではないです。

独身者はどんな保険が必要?

  • 医療保険

  • 所得補償保険

  • 貯蓄性の高い保険

  • 生活に関する保険

生活に関する保険は自動車保険・火災保険・旅行保険・スポーツ保険などがあります。
突発的な支出に備えて、リスクに応じた保険加入を検討してください。

独身者の場合は、万が一に備えて保険加入することや資産形成を考える必要性が高いです。
既婚者や子供など家族がいる方は、万が一働けなくなった時や将来的に介護が必要になった時に、家族の収入で支えてもらえる可能性があります。
独身者は順当にいけば親が先に亡くなることになり、いざという時に支えてくれる人がいません。
遠い親戚や国からの支援を受けられることもありますが、万が一の時に周囲へ迷惑をかけず高い生活水準を確保するためにも、医療保険や所得保障保険、貯蓄性の高い保険(終身生命保険や養老保険など)に手厚く加入しておくことをおすすめします。

子供の独立による保険選び・見直し

保険選び・見直し 子供の独立編

子育てが終わりますと、少し寂しくもあり、嬉しくもあり、何とも幸せな時間が訪れます。
しかし、それも束の間。老後の資金・年金等、様々なお金の問題が押し寄せてきます。子供が独立したタイミングでしっかりと保険を見直しましょう。

子供が独立したことによる見直し

子供独立に伴う保険の見直しは、一般的に掛け捨て保険を減額させて直近リスクの保障を減らして、老後のための資産形成を視野に入れることです。
学費など子育てにかかる費用は減るため、死亡に備えた大きな保障をかけなくても弊害が出にくくなります。
自身と配偶者の生活費を考慮して、万が一の入院時に必要な保障のみへと見直すのが一般的でしょう。

子供が独立した時の年齢によって状況が変わりますが、将来的に年金だけで生活するのが難しい世の中になりました。
老後2,000万円問題などを見据えて、個人年金保険など貯蓄性が高くて資産形成をできる保険の活用を検討してください。

独立後の子に迷惑をかけない

結婚や1人暮らしで子供が家を出て独立すれば別の世帯として扱われますが、何かあればお互いに助け合うのが家族です。
子供の独立後に親が病気になって高額な医療費がかかるなど生活費がショートした場合、独立した子から支援を受けるケースが多いです。

子供から見れば親孝行になりますが、親として結婚や出産、育児などのイベントを控える子供に迷惑をかけたくないと思う方が多いのではないでしょうか?
子供の独立で保険の保障を減額させるのは悪いことではないですが、貯蓄状況や子供の環境に応じたリスクに備えるようにしてください。

保険相談の必要性が高まる

子育て世代のリスクに備えた保険は万が一に出る保険金の額と月々の保険料、保障範囲だけ見て決めればOKです。
老後の資産形成を目的に保険加入する場合は、複雑な仕組みの保険商品から選定して上手に保障プランを組み立てないといけません。

個人年金保険で見ても定額年金と変額年金や、確定年金・有期年金・終身年金など様々な種類があります。
保険を活用して賢く老後の資産形成をするためにも、保険のプロに相談しながらプラン選定をすることが大切です。

独立開業による保険選び・見直し

保険選び・見直し 独立開業編

事業主を目標としている人にとって、独立開業は大きな喜びですね。
しかし、いざ独立開業すると様々なことを考える忙しい毎日が始まります。
保険契約も独立開業した際に考えるべきものの一つですが、なぜ保険を見直す必要があるのでしょうか。独立開業した際の見直しポイントを整理しました。

会社員には手厚い社会保障

年金のイメージ

年金のイメージ図

脱サラして個人事業主として独立すると、社会保険の加入がなくなって国民年金と国民健康保険へ切り替えることになります。
iDeCoの活用など年金を手厚くする保障サービスもありますが、独立直後で事業が軌道に乗る前の段階では支出を増やしたくない方が多いでしょう。

しかし、風邪や感染症で仕事を休む際の有給休暇もなくなるなど、会社員に比べて事業主は保障が少ないので、民間の保険に加入するなどして補わないと、いざという時に事業へ悪影響が出てしまいます。
一般的に独立開業するには多額の資金と労力、準備が必要になるので、投資したものを無駄にしないためにもリスク管理をしっかりすることが大切です。

独立時に検討すべき保障

  • 個人に対する保険

    • 医療保険
    • 就業不能保険
    • 生命保険
    • 個人年金保険
  • 事業に対する保険

    • 自動車保険
    • 火災保険
    • 総合保険(事業活動総合保険など)
    • (従業員に対する)労災保険、社会保険
    • 特定の業種向け保険各種

経営者個人に対する保険は、会社員より高まるリスクを理解して検討しましょう。
事業に対する保険は、事業活動総合保険など複雑な仕組みの保険が多いです。
街中にある保険ショップでは対応できないことが多いので、大手損保会社の事業者向け保険専門スタッフなどへ相談する必要があります。
独立開業する前に、業種・業態に応じてどのような保険が必要になり、いくらくらいの保険料がかかるのか調べておきましょう。

定年時やシニア世代の保険選び・見直し

保険選び・見直し 定年・シニア世代編

定年シニア世代になるとどんな保険に入るべきか、悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
定年を迎えると現役世代と比べ、入るべき保険も大きく違いが出てきます。
定年シニア世代が入るべき保険と加入時の考え方をご紹介します。

医療保険

現役でバリバリ働いていた時に比べて、病気になった際は医療費の支出が増えるだけで、安定した収入を年金で確保しやすくなります。
貯蓄が多ければ医療保険の必要性は低くなり、貯蓄が少ない場合は定年・シニア世代でも随時保険を見直すべきです。

個人年金保険

本来は現役で働いている時期に加入する保険ですが、人生100年時代を迎えて定年・シニア世代が一時払いの個人年金保険に加入するケースが増えています。
個人年金保険は10年、20年と長期間預けてから年金受取を開始する商品も多いので、当面の生活費に余裕のある範囲で契約するようにしましょう。

介護保険

公的介護保険は40歳以上の方は強制加入となっています。
しかし、加速する高齢化社会や未婚率の上昇によって、公的介護保険と年金収入だけでは不安だと感じる方が増加中です。
昨今は民間の介護保険が増えているので、元気で余力資金があるうちに将来の介護リスクに備えておくとよいでしょう。

就業不能保険

就業不能保険は病気や怪我などで働くことができなくなった時にお給料変わりに保険金がもらえる保険です。
退職後は収入保障をする必要がありませんので解約しても問題無いでしょう。

相続に備える

保険は相続対策に有効な手段と言われています。
具体的な活用法は保有資産や被相続人の人数によって変わってきます。
保険のプロであるファイナンシャルプランナーは相続税対策についての知識も豊富なので、一度相談してみてください。

対策方法まとめ

分類 特徴 必要性
医療保険 病気等で入院した際に保険金が支払われる
個人年金保険 自分で年金として受け取れる
介護保険 介護サービスを受けた時に保険金が支払われる
死亡保障 死亡した際に保険金が支払われる(相続対策として有効)
就業不能保険 就業不能に陥った場合に保険金が支払われる ×

人生の転機に応じてプロへ相談しよう

今最適な保険の選択を!まずはプロにご相談ください

早い段階から将来のライフイベントを見据えておくことは大切ですが、5年や10年単位の月日が経つと以前相談した時のことを忘れるものですし、収入と支出のバランスや家族構成など当初の計画と異なっていることがあります。

物価変動や社会保険の制度変更など、社会全体で変化が生じることもあるので、1回の保険相談で人生全ての保険を完璧に加入するのは難しいです。
ライフイベントの変化に応じて、その都度プロへ相談して見直しを繰り返していくとよいでしょう。

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