団体信用生命保険の役割と他の保険とのバランスを考える
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保険業法第3条に基づき、保険会社が新たに設立される際や、既存の保険会社が事業内容を変更する際には、内閣総理大臣(実際には金融庁長官がその権限を行使)の認可を受けなければなりません。下記のリンクから、内閣総理大臣の認可を受けた保険会社を確認する際は、金融庁ホームページの「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認ができます。
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監修者ファイナンシャルプランナー 木村秀幸
住宅を購入する際に検討することが多い団体信用生命保険(団信)。この保険は、住宅ローンと深く関係しており、一般的な生命保険とは異なる特徴があります。団信を選ぶ際には、その保障内容を確認し、他の保険とどのようにバランスを取るべきかを考えることが大切です。
ここでは、団信がどのような場面で役立つのか、そして保障の重複を避けるために知っておきたい点を詳しく見ていきましょう。
団信保険で補える保障
人生のイベントの中で大きいイベントの一つとなるのが住宅の購入です。
住宅を購入する前と後では保険の入り方はどのように変わるのでしょうか。
住宅ローンに付帯する団体信用生命保険と他の保険の組み合わせについて考えていきましょう。
「団信」とは
団体信用生命保険(団信)は住宅ローンを借りている契約者に万が一何か起こった時のために契約しておく保険のことです。
団信は死亡保障だけでなく、3大疾病や就業不能になった場合の所得保障の保険もあります。
お金を貸している側の金融機関としては団信を契約してもらっておいた方がローンを払えなくなる可能性が低くなるため安心です。
そのため、銀行の職員は必ず団信を契約することを勧めますが、原則団信は任意加入ですので必ず契約する必要はありません。
しかし、収入の大部分を占める家族に万が一あった場合、ローンの支払いは相当苦しくなります。
団信は団体で入る分保険料も割安になっているケースも多いので余程の理由が無い限り加入しておいた方が良いでしょう。
団信で賄える保険
団信は必ず死亡保障がついています。
団信は契約者が死亡した場合に住宅ローンの残債が0になるように設計されています。
そのため、3,000万円のローンがある場合、3,000万円の死亡保障がある保険を契約していることと同じとなり、保障額を考える際は住宅ローン金額を差し引いて問題ありません。
また、医療保障や交通事故などの傷害補償がついているものもありますので、団信以外の保険を契約する場合は団信の内容もよく確認して、新たに契約する保険と団信の保障内容が被らないようにしましょう。
団信の保障(補償)内容と現在契約している保険の内容が重なっている場合は保険を解約するなど見直しも検討しましょう。
繰り上げ返済はするべき?
住宅ローンは生活費に余裕ができたら積極的に繰り上げ返済をするべきなのでしょうか。
団信と生命保険の関係から、繰り上げ返済をするべきかどうか検討して見ましょう。
まず、頭に入れておきたいのは団信が住宅ローンの残債=死亡保障額となる点です。
そのため、繰り上げ返済をして残債が減ってしまうと死亡保障額も減ってしまうため、必ずしも繰り上げ返済がいいこととは言えません。
一方、ローンの残債が減ると言うことはそれだけ、金利の支払いが減るということになります。
つまり保険料を支払うのと金利を負担するのはどちらが得かを考えてみると良いでしょう。
もう一つ繰り上げ返済をするべきかを考慮するべきなのが住宅ローン控除を適用しているかどうかです。
住宅ローン控除はローンの残債が最大4,000万円の1%(40万円)、税額控除できる税制優遇制度です。
現在の金利環境では借り入れ金利が1%を切っていることも多いので借り入れ金利よりも税額控除の方が大きくなっています。
つまり、お金を借りている方が得しているということになります。
住宅ローン控除は住宅ローンの借り入れから最大10年間使うことができますので、この期間中であればなるべくローンは繰り上げ返済せずにローンの残債を大きくしておく(=死亡保障を大きくしておく)方が良いでしょう。
銀行によって団信の内容は異なる
住宅ローンを借りる銀行によって団信の保障内容や上乗せ金利も大きく異なります。
団信の保障内容は死亡保障のみの場合や医療保険がついているものや収入保障保険、自動車事故などの損害保険がついているものもあります。
団信は一般の保険契約よりも保険料が割安となっているケースも多いので、住宅ローンを借りるということはお得な保険に入るチャンスでもあります。
住宅ローンを借りる際は金利だけでなく、団信の保障内容も見比べで契約をすると良いでしょう。