生命保険と医療保険を比較!役割や加入時の注意点を解説

生命保険と医療保険
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監修者
ファイナンシャルプランナー 木村秀幸

生命保険と医療保険、どちらも家族や自分の将来を守るために重要な保険ですが、どのように選べばよいか迷っている方も多いと思います。
この記事では、それぞれの保険の役割や注意点を解説し、重複する保障内容を避けながら最適な組み合わせを見つける方法をご紹介します。
保険の種類が多くて難しいと感じている方もこの記事を参考にして、自分に合った保険選びを進めてみましょう。

生命保険と医療保険の違い

生命保険と医療保険の違い

就職や結婚、子供が生まれるのをきっかけに保険の加入を検討される方も多いと思います。
自分や家族の生活を守るために、まず検討するのは「生命保険」「医療保険」ですよね。
一般的にはセットになって売られていますが、生命保険と医療保険はどのような役割があるのでしょうか。

「もしも」に備えてみんなでお金を出し合って相互扶助をするという仕組みは共通ですが、生命保険と医療保険にはどのような違いがあるのでしょうか。

保障内容

生命保険と医療保険の最大の違いは保障される内容です。
生命保険は死亡時に保険金が給付されるのに対し、医療保険は加入者本人が存命中に医療費がかかった場合に保険金が支払われます。
医療保険にも様々な種類の保険があり、がん保険や生活習慣病など、商品によってカバーしている範囲が異なります。

受取人

保障内容が違うので保険金の受取人も当然違います。
死亡保険は加入者本人が亡くなっていますので、保険金を受け取るのは家族など、あらかじめ指定していた人が受け取ることになります。
一方、医療保険は存命中の病気などの治療費が保険金として給付されますので加入者本人に支払われます。

生命保険と医療保険は両方必要?

両方契約時の注意点

生命保険と医療保険はどちらも入っておく必要があるのでしょうか。
結論としては、両方入っておいた方が良いでしょう。

特に家族の中で一人しか働いておらず「配偶者や子供を養っている方が死亡した」または「病気で入院して仕事が出来なくなってしまった」というケースでは家族の生活は行き詰まってしまいます。
そのため、生命保険と医療保険をセットで入り、死亡と病気や怪我の両方に備える方法が一般的です。
では、生命保険と医療保険を両方契約する場合どのようなことに注意をすればよいのでしょうか。

保障内容の重複

生命保険と医療保険で、保障内容が重複しないように契約しましょう。
保険商品には生命保険をベースとして、医療保険が付帯している商品や、逆に医療保険がベースで死亡保障を付帯するものがあります。

そのため、2つの商品で生命保険と医療保険を契約すると、それぞれの保障範囲が重なる可能性があり、不必要な保険料を払ってしまう可能性があります。
現在加入している保険がある場合はまず、自分がどんな保険に加入しているのかをしっかりと確認して、不足している内容をカバーできるように契約すると良いでしょう。

団信保険との保障重複にも注意

加入する保険会社

生命保険と医療保険に加入する場合、同じ保険会社で入らない方が良いという考え方の人もいます。
確かに、破綻リスクを考えると複数の保険会社に分散しておいた方が良い面もあります。
しかし、同じ保険会社で契約することで、住所の変更手続きや書類の取り寄せが一回で済むメリットもありますし、担当者に相談することで前述した保障内容の重複を防ぐことができます。
大手の保険会社であれば、破綻リスクは非常に低いので手続きが面倒だという方には同じ保険会社で契約することをお奨めします。

保険の種類

保険の種類と役割をご紹介

保険は生命保険・医療保険に分かれており、それぞれに役割があることはご理解いただけたと思います。
生命、医療保険も保障方法やその期間の違いでいくつかの種類があります。

生命保険の種類

生命保険は、大きく次の3種類に分類することができます。

定期保険 定期保険は一定期間保障される保険です。基本的には掛け捨ての保険となりますので、割安で、高い保障がつきます。
終身保険 終身に渡って保障が続くのが終身保険です。終身保険は一生涯保障が続くため、定期保険に比べると保険料は割高になります。
養老保険 満期時に満期一時金も受け取れて貯蓄性も高いのが養老保険です。万が一の時、死亡保障は欲しいけど、掛け捨てにしたくないという方にはお奨め保険です。

医療保険の種類

一口に医療保険と言っても様々な種類があり、特約の組み合わせを含めれば数万パターンの保険商品が存在することになります。
ただ、大きくは生命保険同様に「定期保険」「終身保険」の2パターンにわかれ「特約」の形で細かい保障範囲を決めていきます。

定期or終身保険

医療保険には一定期間の病気や怪我を保障する定期保険と終身に渡って保障が続く終身保険があります。
年齢が高くなればなるほど入院する可能性は高くなっていきますので、終身保険は定期保険と比べると保険料が割高になります。

また、終身保険でも終身払い有期払いがあります。終身払いとはその名の通り、終身に渡って保険料を支払う保険です。
一方、有期払いは65歳までなど、一定期間で払い込みが終了する保険を言います。

様々な「特約」

医療保険は基本契約に加え「特約」をつけることで、がんや特定疾病に備えます。ここでは代表的な特約を紹介します。

各特約の詳細紹介はこちら

がん入院特約 いわゆるがん保険と呼ばれるものです。がんに特化された保険でほとんどの場合、入院日数が無制限です。
多くの人がかかるがんに備えた保険ですね。

特定疾病保障特約 特定疾病保険特約は生活習慣病の保障に特化した医療保険です。
がん 急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全、糖尿病、高血圧性疾患などが対象となります。
女性疾病入院特約 女性特有の病気や妊娠・出産関連の入院にも給付金が出ることがあります。
先進医療特約 先進医療特約は厚生労働省が定めた高度な医療技術を用いた治療のことで、通常は全額自己負担となる先進医療の技術料部分が給付される特約が先進医療特約です。
通院特約 入院後の通院に対して保険料を給付されます。

多くの保険はこれら生命保険、医療保険を組み合わせて商品化されています。自身に必要な保障は何か?
また不要な保障もセットになっていないか。という点に注意しながら選ぶとよいでしょう。

何歳から入ればよい?

何歳から生命保険に加入するのが一般的なのでしょうか。
公益財団法人 生命保険文化センターによる平成28年度の調査によると、20代で55.7%、30代で82.5%が生命保険に加入しています。

半数以上が就職をきっかけに生命保険を契約し、家族を持つ30代ではほとんどの人がなんらかの生命保険を契約しているという状況です。
同調査では20代の84.6%が「病気や怪我に対する不安がある」と回答しており、20代でも病気や怪我に備えるために生命保険を契約する方が多いようです。

生命保険世帯加入率の推移グラフ

保険を契約するのに若すぎるということはありません。特に自分自身の生活を守るための医療保険は若いうちから契約をしておけば保険料は割安な保険料で契約できますので、将来の安心につながるでしょう。
生命保険は結婚したり、子供が出来たりとライフスタイルの変化に伴い保障額を増やす傾向がありますので、加入後も定期的に見直しを検討すると良いでしょう。

保険加入率はどれくらい?

生命保険はどれくらいの人が加入しているのでしょうか。
まず全体の生保加入率は89.8%でほとんどの方が生保に加入していると言っても過言ではないですね。
しかし世帯ベースの加入率は平成6年の95.0%をピークに徐々に落ち込んでいます。

生命保険世帯加入率の推移(%)

生命保険世帯加入率の推移グラフ

生命保険・個人年金保険の世帯加入率(全生保)【世帯主年齢別】(%)

全体の加入率 民保の加入率
平成21年 90.3% 76.2%
平成24年 90.5% 78.4%
平成27年 89.2% 78.6%
平成30年 88.7% 79.1%
令和3年 89.8% 80.3%

参考元 公益財団法人生命保険文化センター

https://www.jili.or.jp/research/report/zenkokujittai.html

調査年ごとに若干の増減がありますが、全体の保険加入率は90%前後で安定しています。
年齢別では29歳以下70.2%、90歳以上が52.2%になっていますが、30歳~69歳が平均を押し上げています。また、民保の加入率は年々増加中です。

夫婦の保険加入状況

夫婦の生命保険(全生保)の加入形態(個人年金保険を含む)

世帯主・配偶者ともに加入 どちらか一方が加入 世帯主・配偶者ともに未加入
平成21年 77.3% 13.1% 9.5%
平成24年 78.0% 12.6% 9.4%
平成27年 74.1% 15.2% 10.7%
平成30年 75.2% 13.6% 11.2%
令和3年 78.3% 10.3% 11.5%

ご覧のとおり、4世帯中3世帯以上の割合で夫婦ともに生命保険に加入しています。

子供(未婚者)の加入率

子供(就学前・就学中)の加入率

全体の加入率 民保の加入率
平成21年 55.0% 22.4%
平成24年 54.8% 22.1%
平成27年 52.9% 22.2%
平成30年 51.1% 18.5%
令和3年 46.7% 19.3%

未就学児や学生の子供の保険加入率は緩やかに減少傾向です。
前項で紹介した配偶者がいる世帯で夫婦ともに未加入の世帯率も緩やかに上昇しています。

非正規雇用者の数が増えているため生活に余裕がなくて保険に加入しない方や、現在の仕事を定年まで働ける自信がない理由で保険加入を慎重に考える方が多いのかもしれません。

いずれにしても、何かしらの生命保険に加入するのは多数派であり、早いうちから継続的に保険加入をした方がいいことは確かです。

保険を契約するのに若すぎるということはありません。特に自分自身の生活を守るための医療保険は若いうちから契約をしておけば割安な保険料で契約できますので、将来の安心につながるでしょう。
生命保険は結婚したり、子供が出来たりとライフスタイルの変化に伴い保障額を増やす傾向がありますので、加入後も定期的に見直しを検討すると良いでしょう。

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